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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

ただいま見参!想起録2話 葉助サイド

ただいま見参!想起録第二話のあとがきで言っていた、葉助が一時的に別行動をした部分です。

場所は、静が由利の命令で辰興と外で会話をした後に屋敷に帰る部分からになります。

 

文章校正とかたいしてしてないですが、よければ続きからどうぞ。

 

 

 

 

 また来るかとそのまま日が暮れ始めるまで待機していたが、それ以降は何事も無く、二人は日が沈む前にと里の方へと戻り始めた。葉助も少し距離を置いてついていこうとして、足を止める。直後、少し前の木に細い形の手裏剣が突き刺さっていた。葉助は飛んできた方向に視線を凝らす。木々の合間にどこかで見覚えのある編笠が少し見えた。二人の方に少しだけ視線を送り逡巡するが、葉助は彼らとは逆方向に足を向けた。

 

 あからさま過ぎる気配を追って山を分け入って行くと、一つの木の下に僧侶が背中を向けて佇んでいた。

 「まさか後を追ってくるとはなぁ」

 「あんだけあからさまに誘い出しておいてそれですか?」

 「いやいや、付いて来るか来ないかは正直五分五分で、結果はどっちでもよかったからなぁ」

 「嫌いだからですよ。用もないのに来ないでしょう、あんた。それで、後で何かされるのは御免なんですよ」

 僧侶姿の男はふむと半歩身体をズラすと、かぶっている編笠を押し上げた。葉助は少し構えながら、嫌そうに用件を聞く。

 「それで、なんの用です。籐夜さん」

 「別に構えるな。俺とてお前と事を構えるつもりはないよ。今の所は」

 「今の所って」

 変な勘ぐりをされかけてか、葉助の叔父、籐夜は心外とでも言うように言葉を付け足す。

 「俺自身はないが、上から命令されたらそれは仕方ないだろう。まあ、あの里がおとなしくしてればないだろうがな」

 「ああそうですか」

 「だから構えるなと」

 仕方のない事だが本当に信用されてないんだなと、籐夜はつくづく思う。まあ、それでいいし、その方が安心するのだが。

 「今日はあくまで身内として話をしに来ただけだ。もしかしたらもうお前らには関係ないことかもしれないがな」

 「身内?」

 葉助は訝しげに眉をひそめる。

 「義姉さん……まあつまりお前達の母親のことなんだが。先日身罷ってな。一応耳には入れておこうかと」

 その言葉に葉助は少し驚いたが、そこまで衝撃を受けた様子はなかった。それどころか。

 「まだ生きてたんですか、あの人」

 「まだ生きてって……お前なぁ。立場を横に置いておいて身内としてその言い方はどうかと思うぞ」

 甥の反応に、籐夜にしては非常に珍しく困惑した人間らしい顔を表に出した。しかし、葉助は意に介した風もない。

 「あの時助けにも来てくれなかった人じゃないですか。大体あなたを身内とは露とも思ってません」

 「……お前、自分の妹をそんな風に言われていい気分になるか?」

 「なりませんね」

 葉助は肩をすくめる。

 「でも、僕もあの人達を今更父さん母さんなんて呼ぶ気には到底なれないんです」

 「それでもお前を産んでくれた人だろう」

 「それが?そんな話をするためだけに僕をここまで誘い出したんですか?それなら僕はもう帰ります」

 葉助は言うだけ言って踵を返す。

 「葉助」

 初めて名前を呼ばれて、彼は肩越しに振り返る。物言いたげな叔父の目とぶつかった。

 「――僕達にはもう関係のない人達です。もう一人が亡くなっても別に知らせに来なくていいですよ。あんたの顔だって見たくない」

 籐夜は一度瞑目すると、「そうか」とだけ息を吐き出すように呟いた。

 「では、もう二度と会うこともなかろうな」

 「できればそうであって欲しいと思いますよ」

 籐夜も葉助とは正反対の方向に歩き出した。その姿はすぐに黄昏の闇の中へと溶け込み消える。葉助も振り返ることなく来た道を戻り始める。

 そういえば、叔父と再会してそれなりの付き合いになるが、名前を呼ばれたのは先程が最初で最後だった。

 「口だけの身内なんて、僕達兄妹に土足で踏み込んできて欲しくないんだけどね」

 彼は初めて本当に叔父と甥として名前を呼んだのだろうと思うが、葉助にとってそんなことは、一昨日の天気ほどにどうでもいいことで、むしろ腹の立つ行動でしかなかった。

 

 

 

 

〜*〜*〜*あとがき*〜*〜*〜

 

お読み頂きありがとうございます。

この先は、あとがきという名の言い訳解説になります。

 

葉助が両親のことをこう思っているのは、彼の逃げです。

里に来てから妹を守らなきゃいけないことを理由に両親との関係からは目を逸らし続けてきているわけです。

静を理由に考えるのを放棄したまんまなんですね。葉助もあの時追い出されるのが本当は静一人だけだっただろう事実には気づいてるんですが、気づかないようにしてたりしますし、まあその辺もあれこれ含めて。

そこに籐夜おじさんから母親の死の事実をぶつけられるわけですが。

 

この時点では葉助はつっぱねてますけど、この後の静との一悶着と菜津との会話で色々考えた末、ちゃんと両親のことも母親の死のことも受け入れます。まあ、結果的にはそれでも村にいた頃から静の事が大事だったので両親のことは受け入れた後も嫌いですけどね!

この辺の部分が実のところ、静が夕飯抜いて先に寝る〜お手玉壊された辺りの裏で葉助が一人やってたことだったりします。

 

あ!おじさんのことは相変わらず大っ嫌いですよ!坊主憎けりゃ袈裟まで憎いくらいには!

 

で、最終的にあの兄妹の関係の決着と言うかあの会話に至りました。

とまあ、まとまってないのでなんとなく裏で彼のことはこんな風に考えてました、くらいに思っていただければと。

そうそう、第二話終了時点では葉助は静に母親の死は伝えてません。

葉助の静に対する隠し事は全部血縁関係(おじさんと母親)のことになります。

 

 

しかし、葉助が結婚したくない理由を考えてもどうしても「嫌いな両親の血が流れてるから親になりたくない」にしかならないんだけど、どうしようこれ。どうしたらいいですか?誰カタスケテ!