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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―旅立ち Ⅰ ―

二人は自然と対峙する。

「人を助けない君でも、挑戦状は受け取るんだ」

「“助ける”んじゃなく、シングル“バトル”ならね」

 


ナオの返答に、ユウキの片眉が不機嫌そうに上がる。

そこにオダマキ博士の声が割って入った。

「ちょっと待った!ナオちゃん、君さっきポケモンは持ってないって」

「家に置いてきましたから。・・・連れてきても戦わせる気はないけど」

「じゃあどっちか君にかしてあげよう」

オダマキ博士はそう言って、手にしていたカバンから二つのモンスターボールを取り出した。

「赤い方がアチャモ、緑の方がキモリだよ」

ナオはちらりとユウキの手持ち、ミズゴロウを見る。

「・・・キモリおかりします」

迷わずにキモリを手に取り、ボールから出す。

「行くよ」

「どうぞ」

そしてバトルが始まった。





ドッ。

ユウキは両ひざをついた。

「負けた・・・」

勝敗はあっさりとついた。

「こうもあっさりつくなんて」

「まあ、こんなもんか。博士、ありがとうございました」

ナオは、キモリをボールに戻して、オダマキ博士に返している。

オダマキ博士は受け取りながら関心していた。

「いやあ、センリから聞いてはいたけど、初めて会ったポケモンでここまでとは」

「そんなことありません。父の方がもっとずっと強いです。それでは失礼します」

一つお辞儀をすると、ナオはミシロタウンの方へ戻っていった。

残されたのはオダマキ親子。

ナオが去っていった方を見つめながら、ユウキが口を開く。

「――父さん」

「なんだ?ユウキ」

「彼女、すごいね」

「ああ。私もびっくりだよ」

負けたというのに、ユウキの顔に悔しさ、というものは一切ない。代わりに――

「父さん。少し予定が早いけど、このまま旅に出たいと思う」

これにはオダマキ博士も驚いた顔をした。

「お前のミズゴロウは今疲れてるじゃないか」

「コトキタウンまでなら大丈夫だよ。それに、今初めて世界を見てみたいと思ったんだ」

「世界?」

ユウキは頷く。

「ボク、ここから出たことがまだないけど、世の中にはナオみたいな子がいるんだな、って思ったんだ。そしたら、ボクの知らない世界がまだまだあるんじゃないかって、思って」

そう。ナオに対する怒りが吹き飛ぶくらいに。

そう言ってユウキは、にこっ、と笑う。

「・・・そうか。お前がそう言うなら止めないよ」

「ありがとう、父さん。それじゃあ行ってきます」

「あっちも頼んだぞ」

「大丈夫だよ。フィールドワークの手伝いくらい」

そうして二人は、手を振って別れた。