桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―トウカシティ ? ―

ナオがラルトスを指差した。

 

ミツルは目をしばたたかせて、不思議そうにラルトスを見た。

 

「『ラルトス、きもちポケモン、頭のツノで人の気持ちを感じとる』。ツノが光ってるでしょ。ミツルの強い気持ちを感じとってるんじゃない?」

 

 

ミツルはしばらくラルトスを見つめ、コクリ、と頷いた。

 

ねんりきが解かれた一瞬を狙ってスバメが逃げようと羽ばたいた。

 

「あ!」

 

ボールの位置とスバメの位置がずれ、ボールはスバメの手前下に飛んでいき、地面に当たってバウンドした。

 

バウンドしたボールは羽ばたいたスバメの方に飛んでいき――さすがにそれを避けるだけの体力は残っていなかったのか、スバメに当たる。

 

ボシュン!――コン、コンコン・・・。

 

ボールに収まる音と、地に転がる音。

 

カタカタ、と音がしたが、すぐにおとなしくなった。

 

沈黙。

 

ミツルは呆然とそのボールを見つめている。

 

「つか、まえた?」

 

少し咳き込みながらも、ボールに近づいていく。

 

ミツルはそっ、とボールを拾い上げた。

 

中にはスバメが入っている。

 

「ボクが、捕まえた」

 

「そうよ。あんたが捕まえたの。これで満足?」

 

ミツルは満面の笑みで振り替える。

 

「はい!ありがとうございます!!」

 

「じゃ、帰るわよ。もうすぐ日も暮れるし」

 

ナオのその言葉に、ミツルは初めて日が傾いていることに気がついた。その日を背にしてキャモメがナオの方に降りてくる。

 

キャモメ、ご苦労様」

 

肩に止まったキャモメをボールに戻し、ナオは踵を返す。

 

「ナオさん!――来るときに急ぎ足だったのって、もしかして」

 

「病人を暗い中連れ歩けないでしょ?」

 

そう言ってさっさとミツルの前を歩きだす。ミツルもその後ろについていく。

 

やっぱり、来るときに感じた違和感はこれだったんだ、とスバメを大事そうに持ちながらミツルは思う。

 

「あ、そうだ。ナオさん、ありがとうございました」

 

ミツルはボールに収めたラルトスをナオに手渡す。

 

ナオは無言で受け取った。

 

二人が草むらから出ると、大人が二人立ち話をしていた。

 

――聞いたか?昼間この先のトウカの森で一騒動あったそうだぞ。

――ああ、聞いた聞いた。ここらじゃもうその話題でもちきりさ。

――違いない。なんてたって見た奴の話だと、被害者があのデボンの社長らしいからな。

 

「デボン?」

 

思わず立ち聞きしていたナオは、聞き慣れない単語に首を捻った。

 

「デボン・コーポレーションっ・・・て会社のことですよ」

 

答えたのは同じく立ち聞きしていたミツルだ。

 

「大丈夫?苦しそうだけど」

 

「はい。・・・ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったかな。・・・デボンはホウエンですごく有名な会社なんです」

 

「ふうん」

 

――でさ、社長を助けた少年がいるんだと。

――へえ。誰かが助けたとは聞いたけど、少年だったのか。

――ああ。話じゃ、ミズゴロウを連れた少年だったらしよ。