桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語― デボン・コーポレーション Ⅰ ―

森の影が薄くなり、目の前を赤い光が満たした。

結局あっさりと時間をかけずに森を抜けてしまったナオは、全身に光を浴びるように伸びをした。

「結局会うことなく抜けちゃったじゃない。満足?」

 


ナオの前で辺りを物珍しげに見ていたププリンのプーは、ナオを見上げて不満そうな顔をした。

「さーて。確かこの先は」

それを思いっきり無視して、ナオはホウエンのタウンマップを取り出した。

「今通ったのが“トウカのもり”。この先は“カナズミシティ”・・・か」

確か父であるセンリが、トウカの先でジムがある一番近い町だと言っていた。

今太陽は山の上だ。街に着く頃には沈んでしまっているだろう。

ウンマップをしまうと、プーをボールに戻そうとして、ふと手を止めた。

腰についているモンスターボールの中にいるのはキモリラルトスと、キャモメ

ナオはキャモメのボールを手にとった。

ミツルとのことを思い返し、そっと、安堵のため息をつく。

「・・・キャモメ

ナオはキャモメを外に出し、話かけた。

「ミツルの手伝いのためにあなたを捕まえたわ。こっから先もついてくる?野生に帰りたかったら帰ってもいいわ」

ナオの腕に止まるキャモメは首を傾げてから、ナオの肩に移動した。

それはキャモメの“ついていく”という意思表示だ。

ナオは一瞬瞑目する。

「・・・わかったわ。これからもよろしく」

意味をしっかりと理解したナオは、キャモメとプーをボールに戻して、駆け出した。


カナズミシティに向かって――





時は遡って昼下がり。

デボン・コーポレーションの社員の格好をした男が一人、受付で軽く挨拶をした。

「おつかれさまです」

「あら、もうお帰りですか?」

受付の女性は、時計を見て少し驚いた顔をした。

決して早すぎる時間でもないが、かといって、こんな時間に、と思うような時刻である。

「ええ。これから外せない大事な用が入ってまして」

「あら。引き止めてごめんなさい。飲みすぎはいけませんよ」

受付の女性は、人付き合いの準備とでも思ったのか、軽く笑いながら、おつかれさまです、と挨拶をした。

男が外に出ようと出入口に足を向けた時。

外から人が二人入ってきた。

「あら社長、お帰りなさいませ。どうしたんですか?そんなに慌てなさって」

受付の女性が不思議そうに入ってきた人物――ツワブキ社長とユウキに向かって声をかけた。