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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語― デボン・コーポレーション Ⅱ ―

「はあ、はあ。私が留守の間に誰か出ていかなかったか?」

肩を上下させながら、ツワブキ社長は受付の女性に問いかける。

女性は思い返し、首を横に振ろうとして―――思い留まった。

 


「特にいませんでしたけど、ちょうど今、そちらの方が」

受付の女性はそう言って、今出ていこうとしていた男を手の平で示した。

ツワブキ社長は男に近づいていく。

「少しいいかな」

「なんでしょう、社長」

「君の荷物の中身を確認させてくれ」

「どうしたんですか?急に。変なモノは入ってませんよ?」

男は素直に手に持っていたカバンを開いてツワブキ社長に中身が見えるように傾けた。

社長が中を覗き込み――



ドスッ――!!



「がっ!!」

ツワブキ社長が腹を抱えてうずくまる。

カバンの影から男が拳を繰り出したのだ。男はその隙に出入口に向かって走り出す。

「社長!」

「待て!」

受付の女性が社長に駆け寄り、ユウキが出入口に立ちはだかる。

「どけガキ!」

ドン――!

男は荷物を抱え込み、ユウキに体当たりをする。

「わっ!―――この!」

大人と子供。衝撃を受けきれずに壁にぶっかってる間に男は外に逃げ出している。

「待て!!」

ツワブキ社長が気にはなるが、ここで男も逃がせない。ユウキは男の後を追い始めた。

残された受付の女性は、ツワブキ社長を壁際に移動させる。

「社長大丈夫ですか」

「あ、ああ」

「一体何が」

「・・・起動部品が」

「え――?」

受付の女性はツワブキ社長の言葉に耳を疑う。すぐに社内電話を手にとった。

「もしもし。こちら受付です。すぐに確認していただきたいことが――」





カナズミシティを106番道路に出た辺りで、ユウキは男を見失った。

「どこに」

辺りを見渡すも草むらと立ち並ぶ木々しか見えない。

「どうかしたか?少年」

声をかけられ、振り向くと、小太りな男の人がユウキを見ていた。

「あの、人を探してるんですが」

「人?この先の道路はエネコやツチニンの生息地になっていてな。それ目当てにここを訪れるトレーナーやマニアが結構いるぞ」

エネコやツチニンというと、生息数が少なく、かつペットとして人気のあるポケモンだ。

人が多いから見つかるかねえ、と男は首をひねっている。

「誰か、ここを通っていきませんでしたか?あっちから来て、ついさっきだと思うんですけど」

ユウキは構わずカナズミの方を指差し、男に訪ねる。