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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語― デボン・コーポレーション Ⅳ ―

版権-RSE物語 版権

「・・・大事な荷物を盗んで、社長を殴って、ご老人のポケモンを盾にして、どこまであなたは最低なんですか!」

「はっ!なんとでも言え。世の中にゃ勝てば官軍って言葉があるんだよ!」

男は言うなり、キャモメを持ったままトンネルの方に走り出した。

 


ユウキも後を追う。

(あれだけ貫通していないって言ったのに、何を考えてるんだ?)

しかし男はトンネルには入っていかず、その入り口横の小高いところを登っていく。山の裾をトンネルを掘るために削ったところだ。

ある程度登ると、男は足を止めた。

「そろそろか・・・。おいガキ」

男は空を仰いで何事か呟くと、ユウキに顔を向けた。

ユウキは剣呑な視線で返す。

「こんな荷物くれてやるよ」

その言葉と同時に、男はユウキの足元に持っていたカバンを放り投げた。ドサッと音がする。

「!?」

投げ出されたカバンを見て、ユウキは驚愕で目を見開く。もしや見失ったときにでもカバンをすり替えたとか、起動部品だけ取り出したとかだろうか。

男はそんなユウキの思考を読み取ったのか、皮肉げに口端をつり上げた。

「オレは最初から起動部品は盗んじゃいないよ」

一寸、耳を疑った。

のろのろと強ばった顔を上げ、凍りついた瞳を男に向ける。

「なん、だって?」

男ハ今、ナント言ッタ―――?





その頃デボンコーポレーションでは、小さな騒ぎが起きていた。

「起動部品が盗まれたかもしれないって?」

受付からの電話をとった社員の一人は、そんなバカなと一笑した。

「起動部品は厳重に保管されているし、社内でも保管場所を知っているのは数人だ。それに鍵は私が持ってるんですよ?」

男は苦笑しながら鍵があるのを確認する。確かに自分の手元にある。

「ご心配なら確認してきますよ?はい。それじゃあ早速」

社員の男性は、受話器を置いた手で鍵を掴むと、席を立ち、そのまま一直線に保管場所に向かった。

鍵を差し込み、指紋照合。それから暗証番号を入力する。認識された所で差し込んだ鍵を回すと扉が開く。

中を覗き込んで息をはいた。

「ちゃんとあるじゃないか。全く、誰のイタズラだい」

社員男性は一応傷やら 何やらがないか、確認しようと手を伸ばした。その時。

ゴッ―――!

頭後ろに衝撃が走り、社内男性はその場にくずおれた。

後ろから殴ったものは、男性には目もくれずに起動部品に手を伸ばす。

ハスブレロを従えた女性は、起動部品をしっかりと手にすると、ハスブレロに命令して手近な窓をかち割った。

「さようなら。お馬鹿で間抜けな集団さん」

起動部品を盗んだ女性は、呟くと窓の外に身を投げた。ハスブレロも後に続く。

バサッ、と羽ばたく音が一回聞こえ、外にはペリッパーに乗って飛び去っていく女性の姿があった。



ザザッ―――

「はい、こちらイズミ」

イズミは無線を手にとった。向こうの声を聞き、ニタリとする。話が終わったのか無線を切り、ポケットにしまった。

「ミッション・コンプリートよ♪」