桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語― デボン・コーポレーション Ⅴ ―

男の言葉を聞いたユウキは、自分の顔が強ばるのを自覚した。

衝撃で凍りついた喉から、必死に声を絞り出す。

「なん、だって・・・?」

 


「オレは囮役さ。オレがあたかも大事な大事な起動部品を盗んだように見せかける。すると、会社側は逃げたオレを追う奴と、本当に盗まれたかどうかを確認する奴に分かれる。後はそいつらが勝手に起動部品への道を教えてくれるって訳さ。もう一人の仲間にな」

男のわざわざなご丁寧な説明に、ユウキはようやく事態を理解し、悔しげに顔を歪めた。

「――つまり、ボクはまんまと騙されたわけだ」

吐き出した声が、自然と怒りを圧し殺した声になっている。だがユウキは構わない。

それにしてもあまりに手が込んでいる。たった一つ、物を盗むだけだというのに。

「そんなにしてまで、どうして起動部品が必要なんだ!あれは会社のために造ったもので、お前たちが持っていても意味がないだろう!?一体何が目的なんだ!!」

ユウキは男を睨み付ける。が、答えは上から降ってきた。

「我々にはどうしても必要なものなのよ。やっだ、坊や聞いてなかったのぉ?」

この独特のしゃべり方。ユウキは空を見上げる。―――イズミだ。

「トウカの森の・・・」

「あんたに今、構ってる暇はないのよん。用もないしぃ〜」

女がそう言い終わるのと同時に、ユウキの向かいにいた男の側を飛行ポケモンが通り過ぎる。

通り過ぎた後に、男の姿はなかった。

『ああっとそうだ。コイツは返してやるよ。ありがたく思いな』

上空から声がし、慌てた風のキャモメのピーコちゃんが、一直線にユウキに突っ込んできた。

「うわわっ!」

思わず抱え込みながら尻餅をつく。とりあえず、ピーコちゃんが無事なようでほっとした。

『じゃねん、ぼ・う・や♪』

先程よりも遠い声に、ユウキが顔を上げると、すでにその空のどこからも、奴らの姿は消え失せていた。

呆然と空を見上げるユウキに、怯えたようにユウキにすがりつくピーコちゃん。

ユウキはピーコちゃんを抱き締めるように俯いた。


―――悔しい。


今のユウキの心の中はそれだけだ。いろんなことがない交ぜになって、ただひたすらに悔しくて悔しくて、悔しい。

相手に実力が至らなかったこと、ツワブキ社長に頭を下げられてまでお願いをされたのに、結局自分は何もできなかったこと。

そう、何も―――

そんな自分の非力が悔しくて仕方がない。

しばらくそうして俯いていたユウキは、目をこすると立ち上がって老人のいるところに戻っていった。





〜*〜*〜あとがき〜*〜*〜

ユウキくんガンバp(^-^)q☆
これにてとりあえずアクア団は一段落です。
ポケモン世界に“勝てば官軍”なんて言葉あるか知りませんが。使わない方がよかったですかね?


受験で続きが大幅に遅れてしまい、読んでくださってる方には申し訳ありませんでした*1
本当にごめんなさいm(__)m!

そういえば、今回ポケモンバトルがありませんでしたね。ハスブレロが人を殴り飛ばしたくらいで。

これはポケモン小説としていかがなものでしょう?とか言っても、次もバトル入りそうにないなぁ。予定だと。

*1: