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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―カナズミシティ Ⅰ ―

版権-RSE物語 版権

ユウキが丘を降りて老人の所に戻ってくると、老人がピーコちゃんの姿を見つけて駆け寄ってきた。

「ピーコちゃん!」

ユウキが離すと、ピーコちゃんは老人の方に嬉しそうに羽ばたいていく。

 


感動の、かどうかは知らないが、ともかく再会した一人と一匹は、お互い無事であることを喜ぶよう抱きあった。

ユウキはその光景に両の頬を弛める。

しかしすぐに、再開が済んだのか老人がピーコちゃんを肩に乗せ、ユウキの方に近づいてきた。

「君、ピーコちゃんを助けてくれてありがとう」

ユウキの前で深々と頭を下げた。ユウキは慌てた。

「あ、頭を上げてください!えと……」

「ああ。ワシの名前はハギじゃよみんなからはハギ老人と呼ばれとる」

「ボクはユウキです。ハギ老人、ボクはなにもしてません。ですから、ボクに頭を下げないでください……」

ユウキがほんの少ししょんぼりして答えると、ハギ老人は不思議そうに首をかしげた。

「何を言っとるんじゃ?ピーコちゃんが奪われたとき、取り戻そうと追ってくれたじゃないかい。それで十分じゃよ」

ユウキよりやや高い背丈のハギ老人ははにかんだ。

「ハギ老人……」

「時に少年。おっと、ユウキくんじゃったな。見たところ旅人のようじゃが」

「あ、はい。父の研究の手伝いでポケモンのデータを集める旅をしてますけど」

「ほぅ。お父さんは研究者か。それなら海を渡る必要もでてくるの。海の向こうには渡れるのかい?」

ハギ老人がなぜそんなことを聞いてくるのかわからないが、ユウキは「いいえ」と首を横に振った。

するとハギ老人は何か納得したようにうんうん、と一人頷き、

「ならいつでも104番道路にあるワシの小屋に来なさい。ピーコちゃんを助けてもらったお礼じゃ!いつでもワシの船に乗せてあげよう」

満面の笑みでユウキにそう告げた。言われた言葉にユウキは目をぱちくりさせる。

「ふ、船!?」

この今目の前にいる老人が、船を持っているなど誰が思うだろう。失礼だが。

その心情を察したのか、ハギ老人はウインクしながらこう付け足した。

「こう見えても昔は漁師だったんじゃよ。持っとるのは漁船じゃ」
「漁師……!でもいいんですか?」

「言ったじゃろ。君はピーコちゃんの恩人じゃ。君のためならいつでも喜んで船を出させてもらうよ。のぉ、ピーコちゃん」

ピーコちゃんは嬉しそうに頷いた。

「ハギ老人。……ありがとうございます」

ユウキは頭を下げた。

「いやいや、気にせんでくれ。それじゃあワシらはこれで帰るとするよ」

「104番道路でしたよね。ボクもカナズミに用があるんで途中まで送っていきますよ」

「ほっほ。そりゃありがたい」

ユウキの申し出を、ハギ老人は嬉しそうに受け入れた。ハギ老人曰く、人やポケモンは多い方が楽しいのだそうだ。