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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―カナズミシティ Ⅲ ―

版権-RSE物語 版権

「それでは明日の朝十時にお待ちしております」

「朝十時?他に挑戦者は?」

「他の挑戦者の方々は、午後の挑戦予約となっています」

 


「あ、そう。それじゃ、また明日来ます」

カナズミジムの挑戦予約を済ませたナオは、その町のポケモンセンターに向かった。

完全に日は暮れ、街は夜の風体となっている。

全く今日はとんでもない日だった。苦手な他人の手伝いをやらされるし、半日もかけずに森を抜けるし、結局目当てのバッジはもらえないし。

「こういう日は最後まで続くのよね……」

そしてそれは見事に当たった。

「ごめんなさい。当センターの宿所はもう満室で」

カナズミポケモンセンタージョーイさんの言葉に、ナオは小さくため息をついた。

チラリとロビーのソファーに目を向けると、そっちの方はまだまだ余裕がある。

「じゃあソファーで寝ます」

「本当にごめんなさい」

部屋がないのなら仕方がない。床で寝ないだけまだましだ。

ソファーに行きかけて、ナオはあっ、と足を止めた。

ジョーイさん」

「はい?」

ナオの声にジョーイさんも足を止めた。

「明日、九時まで私が起きなかったら起こしてくれませんか?」

「あら、ジム戦予約者?いいわよ。そういうトレーナーは結構多いの」

「それから、ユウキっていう、ミズゴロウを連れた少年がこのセンターに来ていません?」

ジョーイさんは少し首を捻って、横に振った。

「探し人?」

「いえ、大したことじゃないので。おやすみなさい」

ナオはそれだけ告げると、ジョーイさんに背を向けた。

(これじゃプーの気がすまないじゃない。どこほっつき歩いてんだか、あの甘ちゃん)

やや不機嫌なまま床についたナオだが、その次の日、あっさりと再会してしまうのである。





次の日の朝、八時前に目が覚めたナオは、さっさとポケモンセンターを後にした。

時間には早いが確認したいことがあったので、一度ジムに赴いた。そのジムの前で。

「あれ、君は確か」

聞いたことのある声がして、振り返ると、昨日散々探しもとめた人物がそこにいた。

頭に乗っているプーが喜んでいるのが伝わってくる。

「やっぱり、ナオちゃん」

「ユウキ……」

しかし“ちゃん”って―――。

露骨に嫌な顔をすると、ユウキは首をかしげた。

「あれ?名前あってるよね?」

「ちゃん付けなんて気持ち悪いからやめて」

「え、でも」

「こっちは純粋に気持ち悪がってるの。呼び捨てでいいから“ちゃん”付けはやめて」

「あ、はい」

ナオが睨みつけるように言うと、ユウキは小声で了承した。