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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―ハギ老人の小屋 Ⅲ ―

ナオの目がしげしげとバッジケースを見る。そして受け取った。

 

「ありがとう。アンタにしては気が利くじゃない」

 

「ボクにしてはって……」

 

 

バッジをケース内にしまい、カバンの中に入れる様を見ながら、ユウキはややへこみ気味だ。

 

「それでナオ。もしかしてこれから全部のジムを回るの?」

 

「だったら?」

 

「ムロタウンって知ってる?海に浮かぶ小さな島なんだけどね。そこにもジムがあるんだ」

 

「それで?」

 

「ナオは海を渡る手段、あるの?」

 

「ないわよ」

 

相変わらず淡々と返すナオに、ユウキは気を悪くした風もなく続けていく。

 

「だったらボクと一緒に来ない?今からボクもムロに向かうんだ」

 

「イヤ」

 

「遠慮しないでよ。さっ、行こうナオ!」

 

ユウキは言うが早いか、ナオの手を取って走り出した。

 

「は?ちょっ!?」

 

予想だにしないユウキの行動に、ナオは無抵抗のまま連れていかれる。

 

「ユウキ!アンタ行くってどこに!?」

 

ユウキは走りながら肩越しに振り向いた。

 

「ハギ老人のところだよ」

 

 

 

 

 

と、連れられるまま―――どちらにせよ一度トウカに戻るつもりではあったが―――ナオはユウキとともにトウカの森を抜け、104番道路にあるハギ老人の小屋の前に来ていた。