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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―105番水道 Ⅰ ―

版権-RSE物語 版権

波の音が聞こえる。耳を済まさなくともその辺りから。

 

今日は穏やかな海で、船の揺れは静かなものだった。

 

その船の中で、壁に寄りかかるように座って目を閉じているのがナオ、立ち上がってハギ老人とともに海を眺めているのがユウキである。

 

 

最初は外に出てちょこちょこ動き回っていたププリンのプーだが、あまりのはしゃぎぶりに、海に落ちたら危ない、とのことでボールに戻された。

 

ここでププリンの特徴を述べると、軽い。とにかく軽い。跳ねだすと止まらなくなるというくらいに。

 

時間としては、お昼はとうに過ぎている。そんな感じだ。

 

ユウキがナオを振り返る。

 

「ナオも一緒に見ない?」

 

「いい」

 

この会話も何回か繰り返されている。

 

ハギ老人がぼそりと呟く。

 

「つっけんどんな子じゃのう」

 

「話す時は話すんですけどねえ」

ユウキは慣れたのか、苦笑するだけだった。

 

聞こえるものが再び波の音だけになった時、それを割くように突然電子音が鳴りだした。

 

ナオがゴソゴソとカバンを探り、目的のものを取り出してピッ、と通話ボタンを押す。

 

「もしもし?」

 

ナオの口から出た言葉は、不機嫌さを伴っていた。

 

『ああ、ナオか?』

 

「なにパパ」

 

どうやら相手はセンリのようだ。