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桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―105番水道 Ⅱ ―

『今どこにいるんだ?』

 

「海の上」

 

『……は?』

 

 

電話向こうから困惑気味の返事が返ってくる。

 

「ハギって人に船に乗せてもらって、ムロに向かってる途中」

 

『ああ、ハギ老人か』

 

その返事に、ナオは意外そうな顔をする。

 

「ハギ老人のこと知ってるの?」

 

『トウカシティ郊外に近い、102番道路に住んでるハギ老人だろう?トウカじゃ有名だよ。昔は凄腕の船乗りだったって』

 

「ふーん。―――それで?」

 

話が逸れていることに気づき、ナオが用件を促した。

 

『ああ、ミツルくんのことを一応報告しておこうと思ってね。今日、無事にシダケタウンに引っ越していったよ。お前に“ありがとう”と言っていたよ』

 

「…………そう」

 

『ムロに向かってるってことはカナズミジムは勝ったんだな。次も頑張れよ』

 

「言われなくてもそうする」

 

ピッ、とボタンを一つ押し、通話を切った。

 

ふと顔を上げると、いつの間にかユウキがすぐ横にいる。ナオの手もとをじっと見つめて。

 

ナオは怪訝そうに聞いた。

 

「何?」

 

ユウキはポケギアを指差して答えた。

 

「それなに?」

 

「ポケギア」

 

「ポケギア?」

 

「……知らない?」

 

「うん」

 

―――沈黙が降りた。

 

ナオがそっぽを向いて小さく息を吐く。

 

そしてぼそり。

 

「田舎者……」