桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

RSE物語―105番水道 Ⅲ ―

「わるかったな、田舎者で」

 

少しムッとした反応が返ってきたのを見て、ナオはめんどくさそうに簡単に説明した。

 

「携帯型多機能コンピュータ、ポケットギア。略してポケギア」

 

「多機能?電話以外にも機能があるってこと?」

 

「それ以外にどんな意味にとれるの?」

 

そう言いながらも、ナオはポケギアの画面をユウキに見せながら横のボタンをポチポチと押していった。

 

 

電話、タウンマップ、メール、その他。

 

「へぇ……。そんなすごい機械が世の中にあったんだ」

 

ユウキの反応にナオは無関心な顔でポケギアをしまいこんだ。

 

「ユウキくん、ナオちゃん、暇じゃないかい?釣り道具ならあるが」

 

話が一段落したと見たのか、ハギ老人が船を運転しながら声をかけてきた。

 

ユウキがハギ老人に一度視線を向けてから、またナオの方に戻す。

 

ナオは短く返した。

 

「いい」

 

なんとなく予想できた答えなので、ユウキはわかった、と一言言うだけで他には何も言わずに立ち上がった。

 

ユウキ一人、やるつもりのようだ。ハギ老人と二言三言言葉を交わすと、ハギ老人が指差した場所から釣りざおを取り出した。

 

ナオのいる船尾横から海に向かって投げる。少しして引き上げ、また投げる。

 

 

それを何度か繰り返した時だった。

 

くんっ!

 

「あ」

 

さおから伝わった手応えに、ユウキは小さく驚きの声を上げた。

 

ぐぐっ!

 

さおがしなり始める。

 

ユウキは重心を傾け、踏ん張りをきかす。腕に力を込めて引き上げようとした。

 

「くぅっ」

 

ばしゃばしゃと水面が暴れ始めた。

 

「あと、少し!」

 

ばしゃんっ!!

 

ポケモンが引き上げられた!

 

「やった!―――て、ぅえ!?」

ごいんっ。

 

喜んだのも束の間、引き上げたポケモンがユウキの顔に突っ込んできて、激突した。