読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

桜咲く地の気まぐれ日記

管理人の半暴走日記です。勢いのまま書いてることもあるので支離滅裂でも生暖かい目で見てくださいな。

新年*Myポケ/カントー*

版権

リーフはぶすっ、とした顔でコタツに潜り込んでいた。

 

その向かいには、リーフの幼馴染みでありライバルのソラが。その右隣にはリーフのハトコのファイアが座っていた。

 

ちなみにここはリーフの家である。

 

 

ソラはファイアを避けるような体制でテレビを見ている。ファイアもわかってるようで、ソラがテレビを見るのに邪魔にならないような体制を取っていた。

 

リーフはソラを睨み付けながらいまだにしかめっ面。

 

ソラがこたつ上のみかんに手を伸ばしたとき、ようやくリーフが不満口を開けた。

 

「アタシが呼んだの、ファイアだけなんだけど」

 

「ハーブに呼ばれた」

 

みかんを剥きつつ、ソラは淡々と返す。

 

「ファイア、ティッシュ

 

「ボクはティッシュじゃないよ」

 

ファイアは苦笑しながらも、ソラのためにティッシュを一枚とって手渡した。

 

ソラはみかんを一粒口に運んだ。咀嚼。

 

「あんま甘くねぇな」

 

「文句あるなら食うなっ!」

 

「他になんかねぇのか?」

 

「なんで人ん家来て、そんなに態度デカイのよ、あんたはっ!」

 

「だって、お前んちだし」

 

これまた激昂するリーフに対して、さも当たり前のような返事をする。

 

「幼馴染みだからって、あんたを家に上げたことなんて数えるほどしかないんだけど?」

 

「気にするな。お前の母さんは気にしてないじゃないか」

 

「今、ハーブ連れて出かけてるけどね」

 

本当はリーフ自身も行く予定だったが、ファイアが今から行くという連絡を寄越したので、一人留守番の役に回ったのだ。

 

そしたら、なぜかソラも一緒に来たというわけだ。

 

「たくもー。夕飯入らなくなっても知らないんだから」

 

「どうせ蕎麦だろ?」

 

一個目のみかんをぺろりと食べ終え、二個目のみかんに手を伸ばしたソラが言う。

 

「あんたは恒例行事にも文句をつけるかっ」

 

その手を、ぺしっ、とはたいて、リーフがソラを睨んだ。

 

みかんを二個取ると、一個をファイアの前に置いて、自分の分に取ったのを剥き始めた。

 

「もう、今年最後の日だって言うのに、なんでコイツと顔合わせてなきゃいけないのよ……」

 

そう、今日は大晦日。今年最後の日である。

 

 

 

 

「たっだいまーっ!」

 

扉が開け放たれる音と、元気なアルト声が同時に玄関の方から聞こえてきた。

 

「あ、帰ってきた」

 

ファイアがみかんを剥く手を止めて立ち上がろうとするのを、リーフが引き留める。

 

「ファイアは座ってて」

 

代わりにリーフが立ち上がって、玄関に続く廊下に出ようとする。

ばふっ。

 

廊下に続く戸が外から開かれ、何かが飛び込んできてリーフとぶつかった。

 

「チウくん」

 

飛び込んできたのは、元・リーフの手持ちのピカチュウのチウくんだった。今はハーブの手持ちとなっている。

 

チウくんはリーフを見向きもせずに、一目散にコタツに潜り込んだ。

 

続いてハーブが荷物をもって飛び込んでくる。

 

「あー、さむさむっ!」

 

「お帰り」

 

「ただいまっ。はい、姉ちゃんあげるっ!」

 

ハーブはそう言って、持ってた荷物を全てリーフに預けると、チウくんに続くようにコタツに潜り込んだ。

 

「そんな寒かったの?」

 

「めちゃくちゃ寒かったっ!」

 

「本当、冷えてきたわよ。リーフちゃん」

 

ハーブに続いて聞こえた声に、リーフと、ソラが反応した。

 

「ナナミさん?」

 

「姉貴?」

 

次に入ってきたのは、ソラの姉のナナミだった。

 

「そこでママさんとハーブちゃんに会ってね」

 

「よかったら御一緒にどうじゃ、と誘われたんじゃ」

 

「「博士っ!」」

 

「じーちゃんっ」

 

ナナミの後ろからはソラとナナミの祖父のオーキド博士が入ってきた。最後にリーフとハーブの母親が入ってきて、部屋の戸が閉められた。

 

「量が足りるかわかりませんけどね」

 

母親が笑顔でそう告げる。

 

「そしたらソラに買いに行かせますから」

 

ナナミが微笑み返して、手伝います、と申し出た。

 

「ありがとうございます、ナナミさん」

 

リーフがお礼を言い、三人はキッチンに引っ込んだ。

 

残された四人と一匹は、コタツでぬくぬくとしている。

 

「ソラ兄。来てくれたんだ」

 

「お前が呼んだんだろ」

 

何言ってるんだ、という顔をするソラに対して、ハーブは無邪気な顔をソラに向ける。

 

「ホントに来てくれるとは思っていもん」

 

「男は約束を破らないんだぜ?」

 

「さすがソラ兄、カックイーっ!」

 

ソラの今の言葉のどこにかっこよさを見いだしたのか知らないが、ハーブは一人盛り上がっている。

 

「研究所の方はどうしたんですか?」

 

ファイアがオーキド博士に話しかた。博士は苦笑しながら答える。

 

「ちゃんと施錠してきたよ。心配せんでも大丈夫じゃ」

 

「つか、仕事の話するなよ。大晦日だぜ?」

 

ソラが頬杖をついて呆れながら隣のファイアを見る。

 

ファイアは眉尻を下げて困ったような顔をする。

 

「だって、留守にしてる間に研究所にいるポケモン達に何かあったら嫌だしさぁ」

 

「男が情けない顔すんなよな」

 

そこでソラがファイアの首に腕を回して顔を近づけ、こっそり耳打ちをした。

 

「そんなじゃ、リーフに一生気づかれないぞ」

 

しゅぼんっ!

 

ファイアの顔が一気に赤くなる。

 

「そそそそんなこと、ソラには関係ないだろっ!?」

 

ファイアの予想通りの反応に、ソラは口元をにやりと歪ませる。

 

何も知らないハーブが二人に問いかける。

 

「なになに、何の話?ソラ兄、ファイア兄」

 

ソラは不意打ちをくらって応答不能なファイアに代わり、人差し指を唇に交差させて返事をした。

 

「オレとファイアの秘密の話だ」

 

途端、ハーブの顔が不満そうになる。

 

「えー!二人だけなんてズルいって。オレにも教えてよ~」

 

「それは無理だな」

 

瞬間ハーブの顔がふくれっ面になった。半瞬遅れて、ソラの顔が微妙に歪む。

 

「ばかっ。コタツん中で暴れるな!」

 

「痛い、痛いってっ」

 

ファイアも声を上げる。

 

そして、コタツの中で抗議行動を起こしたハーブの足は、中でぬくぬくとしていたチウくんにもぶつかった。

 

 

ばぢぃっ!!

 

 

……しゅぅぅぅ。

 

一人避難していたオーキド博士を除いた三人が、チウくんの電撃で煙を上げて伸びた。

 

「は、ハーブの、バカヤロ……」

 

パタパタとキッチンから足音が聞こえ、リーフがリビングに顔を出した。

 

「今、電撃の音したけど……、何があったんですか?博士」

 

リビングの惨状を見たリーフが、一人無事なオーキド博士に問いただす。

 

「なぁに、じゃれあっててチウの怒りを買っただけじゃ」

 

「あ、そうですか。もうすぐできますから、もう少し待っててくださいね」

 

それからコタツの方に声をかける。

 

「チウくん、おいで」

 

コタツ布団がもそもそと蠢いて、ピカチュウが顔を覗かせる。リーフを見つけると、コタツを飛び出してリーフに飛びついた。

 

リーフはチウくんを抱えたままキッチンに引っ込んだ。

 

それから待つこと数分。

 

「おっ待たせ~♪」

 

リーフとナナミとママさんが年越し蕎麦を持ってリビングに姿を現した。

 

「天ぷらはお好きなものを取ってください」

 

ママさんがそう言い、各々蕎麦を置いていく。

 

「やっとメシか」

 

復活したソラが蕎麦を見て呟いた。リーフがすぐに反応する。

 

「文句あるなら食べるな」

 

そこをなだめに入るのはナナミである。

 

「リーフちゃん、落ち着いて。ソラもソラよ。ごちそうになるんだから、もっと感謝しなさい」

 

実の姉に諭されて、ソラは口をへの字にひん曲げた。

 

「今年もあと一時間か」

 

ファイアが箸を受け取りながら時計を見る。

 

随分遅い夕食だが、リーフの家ではこれが普通だった。

 

 

 

 

 

そして、蕎麦を食べ終えてくつろぎ始めた頃には。

 

どこか遠くで鐘が鳴り、花火が上がった。

 

全員がその音を聞いて姿勢を正し始める。

 

全員が全員の顔が見える体制になると、膝の前で手をついた。

 

 

 

『新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします』

 

最後のお辞儀も忘れずに。

 

そして今、新しい年が始まった―――

 

 

 

 

 

~*~*~あとがき~*~*~

 

何を思ったのか、午後からぐだぐだと書き出したもんです。

Myポケカントー組の年末の過ごし方。

見直し?なにそれ、おいしいの(^ρ^)?

 

何はともあれ、新年明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m